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ゴリとラーのAV放浪記

鑑賞したAVを、感想文的にブログに記録しておこうと思います。

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ハンナ・アーレント

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ユダヤ人の思想家ハンナ・アーレントが、1963年にニューヨーカー誌に

『イエルサレムのアイヒマン-悪の陳腐さについての報告』を発表した事で

巻き起こる大論争を史実を元に映画化した作品。

この作品で問われているのは、悪である。


彼女自身、ユダヤ人であり、ナチスに降伏したフランスから命からがら

アメリカに亡命した経歴があるにも関わらず、

多くのユダヤ人をホロコーストに送ったアイヒマンを陳腐な悪と看破する。

それは激しい波紋を広げる。

それはそうだろう。悪魔的な仕業を「陳腐な悪」と言う事は、

人間誰しもが、アイヒマンに成りうる可能性を指摘する事と同意であり、

それは誰も彼もが受け入れがたい論理である。

特に、ユダヤ人である彼女が述べた事で、同朋からは裏切り者扱いされ、

ジューイッシュの友人は彼女のもとを離れ、

アメリカ国内でも彼女の非難の声は絶えない。

ただ彼女は、彼に置かれたれた立場上、良心の呵責はあっても

役人的な意味合いで仕事に忠実であり、

このような立場に置かれたなら人間誰しもが

積極的に自らの役割を担ったであろうと主張する。

今となれば、多くの人々が冷静に議論できる内容であるが、

第二次世界大戦後、わずか18年しか経っていない当時では

論争になる以前に全否定の嵐が巻き起こったのは想像に難しくない。


これは蛇足であるが、強制収用所で生き残ったユダヤ人及び亡命した人々は、

イスラエルの若い世代から、だた無策に殺されかけた弱虫扱いされる

傾向にあった事をこの映画の中で示唆している。

1948年のイスラエル建国から、わずか12年でジェネレーションギャップが

生じている事はおもしろい。

だからこそ、ユダヤ人達は、普通の人に虐殺されたのではなく、

悪魔的な人間に惨殺された事にしなければ自分たちの矜持が守れない。

故に、同朋のハンナ・アーレントを許せなかったのであろう。
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